セミ

午後から急に曇って稲妻と雷鳴。

雷が鳴ってセミが鳴いたら梅雨明け、と子どものころに祖父母から聞いた。もう半世紀ほど前の話だけど、習慣的に今でもわたしは天気予報よりそっちを目安にしている。ただ、今まではエアコンの効いたビル内で仕事なんかしていたから、きっと季節最初のセミの声を聞き逃していただろう。今年は気づけるかもしれない。

そういえば、私はセミを梅雨明けの目安にするけど、セミは何を目安に地上に出てくる日を決めているのだろう。セミは地上に出る1~3日前には羽化のために登りたい木のそばの地上近くでスタンバイしてるという。単なる場所取り合戦なのか。いや、もしかしたら幼虫の殻の中で、土を掘れるくらい立派な前肢が、成虫の頼りない前肢に変化してしまう前に土の中を移動しておかなくてはならないとか、何か切実な理由があるのかもしれない。そういえば、殻の中で成虫になるまでに何日かかるのかわからないけど幼虫時代を終える決心をする時点で、すでに梅雨の終わりの日をざっくり見当つけていることになる。

どうしたらそんな予想ができるの・・・と考えて、セミの同齢幼虫達が地中で地区の会合をひらいて、「今年の羽化日は〇日以降です、各班の中で順番と日程を決めてください」と取り決めなどしている絵がうかんだ。仕事をやめたらさっそく子どもがえりか、わたし・・・。

本能といってしまえばそれまでだけど、その本能が不思議だ。

ただ、羽化したらすぐに鳴くのかどうかの疑問がのこる。もしかすると羽化したものの「あ、早すぎた」と鳴くのを控えて日程調整する場合もあるのかな。全セミにアンケートでも取ってみないとわからない。

 

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