今年も彼岸花が咲きはじめた。一年に一度、限られた期間しか咲かないところは桜と似ている。
ただ、桜のように咲く前から話題になったり、花見などイベントに仕立てられたり、テレビや何かでちやほや取り上げられたりしないのがいい。
秋分の日が近づくと彼岸花は勝手に咲く。山の斜面を赤く染める。道端の草むらや田畑の畔を赤く縁取る。暖色の乏しい寂しい景色を一瞬だけ華やかにする。
そして、そのあとが不思議なんだけど、枯れた後は花びらが散ることも茎が残ることもない。溶けて流れ去ったかのように消える。花が消えた後に出てくる葉っぱに隠されているのかもしれないけど不思議だ。
余談、山口や九州では橙色や白い彼岸花を見たことがある。日本中探せばもっと他の色もあるのかもしれない。私は大人になって九州旅行に行くまで赤色しか知らなかった。